2021年4月、夫タケさんは上顎洞癌(腺様嚢胞癌)再発のため、抗がん剤『TS-1』の服用を始めました。
今日は服用の中止を主治医に宣告されるまでの6ヶ月間の事を書いていきます。
タケさんに起こった抗がん剤『TS-1』の副作用
主治医から伝えられていた『TS-1』の副作用は…
・貧血
・下痢
・口内炎
・食欲が落ちる
・気持ち悪くなる
というものでした。
この中で私が一番心配していたのは下痢でした。
というのも、抗がん剤『パクリタキセル』を投与の副作用『末梢神経障害』と、癌によると思われる体力消耗で、この頃のタケさんは『寝たきりの一歩手前』という所まで身体が動かせなくなっていたからです。
自分の身体の自由が効かなくなっているタケさんにとっては、部屋を出たらすぐ目の前にあるトイレに行くのにもひと苦労で時間がかかります。
それまでもパクリタキセルの副作用でも下痢があり、不意に漏らしてしまう事が何度もあって、タケさんはその度にひどく落胆して、自己肯定感を削ぎ取られたような落ち込みようだったからです。
『更に下痢が酷くなったらタケさんはどうなってしまうだろう』
それがとても心配でした。
実際服用を始めてから『新たに起こった副作用は無い』と言っても良いくらい、パクリタキセルの副作用より酷くなった事はありませんでした。
元々パクリタキセルの副作用で、貧血も下痢も口内炎も食欲不振もあったので、パクリタキセルの副作用以上の酷い症状になる事は無かったのだと思います。
これが健康な状態でTS-1を服用したら副作用を感じていたのかもしれませんが、それは比べられないのでなんとも言えません。
半年間でパクリタキセルの副作用が軽減したこと
パクリタキセルをやめてから副作用が軽減したことと言えば…
体毛が生えてきました
ずっと全身ありとあらゆる毛が無くなっていたタケさんでしたが、その無くなっていた毛が生えてきました。
これが最初に感じた自覚症状だったと思います。
チョロチョロと毛が生えてきた髪の毛を発見した時は、嬉しかったですね。タケさんも「ほらほら見て」という感じで喜んでいました。
剛毛直毛だった元々のコシのある太い毛ではなく、まるで赤ちゃんのような柔らかい細い毛でしたし、フサフサというほど生えてはきませんでしたが、『タケさんの髪の再生』は元の生活に戻れるという『希望』の象徴のようなものでした。
倦怠感の軽減
起き上がるのもやっとだったタケさんの体力の消耗が若干和らいできた感じがありました。
『生命力が上がった』という表現が近いのかも知れません。
元気が出てきたというか、気力が少し出てきたというか、そんな感じ。
『劇的に元気がみなぎってきた』というよりも、『少し雰囲気が柔らかくなった』感じがしました。
回復しなかった『末梢神経障害』
パクリタキセル投与中止を決めた後に初めて聞かされたのが『末梢神経障害』は治らないことが多いということ。
実際にタケさんがパクリタキセルを中止してから亡くなるまでの約8ヶ月の間には末梢神経障害は全くと言っていいほど回復しませんでした。
相変わらず歩行は困難でしたし、外出時は車椅子。
床に倒れ込んだら自力では起き上がれず、家族を大きな声で呼んで、手助けをしてもらわないと起き上がれません。
大好きだったゲームも指が効かなくて思った操作ができません。
字もミミズが這ったような震えたような字しか書けません。
たった8ヶ月。もし、何年もあれば回復したのかも知れませんが、これも比べられないので分かりません。
末梢神経障害の回復は平行線でしたが、徐々に軽減していく身体の変化を感じていて、この頃は『希望の光が差し込んでいる』そんな風に感じる日々でした。
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