癌再発/教授説明

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サッカーW杯初戦、日本が勝ったそうですね。

毎回我が家は大騒ぎでテレビで観戦していました。

毎回タケさんが立ち上がって大喜びしたり、「今のハンドだろー」「オフサイドだろー」と文句言ったり、隣の部屋にいても試合がどんな展開になっているのか分かる感じ(笑)

昨日は見ようと思っても見れませんでした。テレビをつけたら無性に寂しくなってしまって。迷ったけれどテレビを消しました。

でもでも、心は「がんばれニッポン」です♪

目次

癌再発

2019年7月24日、再発の知らせを聞いたのは、仕事帰りの車の中でした。

3ヶ月に一度の定期検診に出かけたタケさんから、いつもの「順調だった」LINEではなく電話がかかってきました。

ハンズフリーで取った電話の向こうから「再発かもしれないって」と。

重粒子線治療の病院の主治医から、その日に行ったCT検査で「再発しているように見える」「検査の結果を持って早急に大学病院に行くように」と言われたとのこと。

「とりあえず予約取れるか分からないけど大学病院に行ってみる」と言って電話は切れました。

私は驚いたけれど、平静を装うように「分かった。また連絡ちょうだい」と言ったように思います。

そのまま運転を続けながら、「なんでタケさんが?」「なんでうちだけ?」って思いがじんわりじんわり湧いて出て、泣きながら運転していました。

大学病院/教授との面談

大学病院には急にではあったものの、診察してもらえました。画像だけでは診断は難しく、組織を取って検査に出すことに。

検査の結果が出た2019年8月7日、癌再発の告知を受けました。

できる治療としては外科手術での癌摘出があると主治医から聞かされた上で教授面談がありました。

この教授面談、最初に癌が分かった時にもやったやつです。その時はステージ4と言われて私はショックで診察室を出てすぐから泣き続けてタケさんを困らせたやつ。

今回は前回と違う教授でした。明るい感じの喋り方で(悪く言えば乗りの軽い感じ?)、前回と同じでタケさんの今の状態と今後の治療についてまとめられた数枚の紙を手渡された上で話は始まりました。

ざっと説明を受けた後、気になるところを質問します。

以前癌の診断を受けた時は手術は眼球まで摘出と言われたけれど、今回はどうなのか。

→今回は眼球は残せる。

顔の傷跡はどのくらいになるのか。

→耳の辺りから首にかけてと鼻の脇あたりを切る

ほかにも色々質問したのだろうけれど忘れてしまいました。とにかく退院後の見た目の問題を私は気にしていたのだと思います。今まで通りの生活がどの程度送れるのか、それが心配でしたね。

教授は「ちゃちゃっと取っちゃいましょう」的なニュアンス(あくまで私の感じ方です)で“簡単な手術“というイメージを私は受けました。

今回の教授説明では泣きませんでした。もちろん不安でいっぱいでしたが、今考えると現実の手術よりもうんと簡単に終わるものだと間違って理解していたんですよね。

病状と治療法の説明

教授面談で渡された“病状と治療法の説明“と題された紙。3枚ありました。

以下ほぼそのままの内容です。

ーーーーー

【病名と病状】上顎洞の癌(がん)の重粒子線治療後再発

左側の上顎洞の癌(腺様嚢胞癌)に対して重粒子線治療を行いましたが、今回再発が確認されました。また、現時点では、頸部リンパ節への転移や肺や骨などへの遠隔転移は認められません。

【治療方法とその概略】

左上顎全摘術、左側頸部郭清術、外側大腿皮弁による再建術、気管切開術:

癌が存在する上額洞を口蓋と共に一塊に切除します。また、転移が存在する頸部リンパ節も脂肪や筋肉と合わせて切除します。切除が完了した後に、大腿部(もしくは腹部)から皮膚と筋肉を血管付きで採取します。(外側大腿皮弁もしくは腹直筋皮弁)これを切除した部分に縫合し、その後に移植組織が生着するように血管を頸部の血管 (動脈・静脈) と吻合します。しばらくの間は、吻合血管が捻じれてしまわないように頸部の安静が必要です。(5〜7日間程度)

また、この手術においては、窒息を避けるために、気管に穴を開ける手術(気管切開術)を一緒に行います。

【合併症と術後の身体的障害の程度】

一般的な出血、疼痛、感染。

① 気管切開術に伴い、しばらくの間は声が出せません。カニューレという管が入りますが、それが抜けると声が出せるようになります。一方、鼻呼吸はしづらくなる可能性があります。

②開口障害、咽頭違和感、嚥下困難(移植組織は柔らかく、硬めの食物を噛むことが難しくなります)したがって、特殊な義歯を作製し、食事がしっかり摂れるようにします。

③顔面頸部の循環障害による浮腫、知覚異常、リンパ漏による創部の治癒遅延、頸部の形態の変化などが生じることがあります。

④腫瘍の進展範囲(広がり)に応じて以下の神経麻庫の可能性があります。

  • 顔面神経切除による下口唇運動麻痺
  • 副神経切除による上腕挙上障書
  • 迷走神経、反回神経切除、空腸再建に伴う嚥下障害
  • 交感神経切除による眼瞼下垂、
  • 横隔神経切除による軽度呼吸機能低下
  • 舌下神経麻痺による舌運動障害
  • 腕神経麻痺による腕のしびれ、痛み、可動性の低下

⑤腹痛や腹部や大腿部の創感染の可能性

⑥そのほかに手術後の全身状態の悪化として脳梗塞、肺梗塞、心筋梗塞、無気肺などが起こり得ます。

⑦血管吻合部位の血流障害により術後数日は再手術の可能性があります。この場合には、再度の手術を行いますが、感染が重なり、一度では上手く閉創できず、数回の手術と長期の入院管理を要することもあります。

⑧ この手術に関連した重篤な合併症(植物状態や死亡)の発生率は約 0.1%以下と考えます。

【術後の追加治療】

切除標本についての最終病理結果を確認し、再発の可能性が高いと判断した場合には、追加治療として、放射線治療や化学療法(抗がん薬治療)を行う可能性があります。これは、術後3~4週間を経過した時点から行うことで再発を予防する手段の一つとなります。

(ただし、既に放射線治療を行っている場合には、追加して行うことは不可能です。)

【別の手段】

抗がん剤治療も選択できますが、腺様嚢胞癌は抗がん剤の効きづらい癌であり、根治を望める可能性は低いと考えます。

また、他院に治療についてのセカンドオピニオンを求めることも可能です。

【今回の治療を施行しない場合の予後】

腫瘍の増大、遠隔転移の出現、生存期間の短縮が予想されます。

【その他】

  • 入院は2ヶ月前後ですが、創部の状態や治療の影響により延長されることもあります。
  • 右外側咽頭後リンパ節(ルビエールリンパ節)に腫脹がみられます。PET 検査を追加で行い評価しましたが、現時点で強く転移を疑う所見ではありません。しかし、厳重な経過観察が必要です。もし癌であった場合には、手術で切除するには後遺症が強く出る部位であり、手術の適応判断は非常に難しいです。重粒子線治療ができる部位と確認を行っておりますので、退院後に相談させていただきます。
  • 治療に関して予期せぬ急変などの対応として、ご家族、本人に確認できないまま、医師・看護師により最善の方法と判断される医療行為を行なうこともあります。

タケさんの「食べること」を助けてくれたスプーンです

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