上顎洞癌(腺様嚢胞癌)の再発で左上顎全摘術を受けたタケさん。
2020年1月末の検査で右上顎の奥に癌が出来ていること、そしてリンパ節への転移が確定しました。
今後の治療の選択肢は2つ
今後の治療の選択肢は大きく分けて2つでした。
①重粒子線治療
②抗がん剤治療
重粒子線治療の病院、大学病院、それぞれの主治医の説明を聞きました。
重粒子線治療の主治医の話
・重粒子線治療をやったからといって、必ず良い結果になるとは限らない。
・重粒子線治療をやっても病気は一時落ち着いて進行を抑えられるかもしれない(その場しのぎにはなる)が、残った右上の歯も全部抜けるし、骨はボロボロになる。
・食べられるものはスープのようなものだけになるので生活の質が保てなくなる。
・やった方がいいと言える状態ではないが治療自体はできることは出来る。
・大学病院で抗がん剤をやってみてダメだったという事になると、時間も経過しているので更に癌が大きくなっている可能性が高いので、その時に重粒子線治療ができるかは分からない。
大学病院の主治医の話
・場所が脳に近いということもあり、もう一度手術というのは難しい(ムリ)
・重粒子線治療もひとつの手ではあるが合併症が大きく出るので、すごく良い治療という訳ではない。
骨がボロボロになって顔が崩れてしまう人もいる。
でも根治を望むなら重粒子線治療しかない。
抗がん剤治療について
・抗がん剤で根治は難しい。
・腺様嚢胞癌に特化して効くという抗がん剤は世の中にはない。
・ニボルマブ(=オプジーボ)という抗がん剤が効くかもしれない
ニボルマブ(オプジーボ)…
・癌をやっつける細胞を活性化させる効果がある。
・人によって効く人もいれば全く効かない人もいて、やってみなければ分からない。
(小さくなる人2割くらい。現状を維持できる人が半分くらい)
・あらゆる癌種に効くのでやってみる価値はある。
・通常の抗がん剤のような身体への強いダメージがあまり無いので、効いている限りはずっと投与し続ける事ができる。
ただし、ニボルマブを投与するにあたっては一般的な抗がん剤が効かなかった人が使える(一般的な抗がん剤を使ったというアリバイが必要)という保険上の縛りがある。
・アリバイ作りに一般的抗がん剤を投与してすぐニボルマブ投与に入る事ができる。
・一般的な抗がん剤をしばらくやってみて、効かなかったらニボルマブをやってみるという手もある。
・重粒子線治療の後で出てきた癌があったら抗がん剤投与という事もできなくはないが、顔はボロボロになってしまうからその時に抗がん剤がどれだけ続けられる状態になるか分からない。
抗がん剤の役割についてこんな説明がありました
・抗がん剤は『癌をやっつける』のではなくて『現状を保つ』という意味合いで使用する。
・通常、一種類(混合することもある)の抗がん剤を投与し続ける事は困難で、効かなくなったら次の抗がん剤という風にローテーションしながら続けていく。
・身体がボロボロになっていくので、いずれは抗がん剤を使えなくなる時が来る
タケさんの決断
先に重粒子線治療の病院、その後大学病院で説明を聞いて、すぐその場で決断ができませんでした。
診察室で主治医と私達夫婦、しばらく沈黙が続いて、結局決められないので一週間後に診療の予約をお願いし、その時に返事をする事にしました。
最後にタケさんが
「こんな早いスピードで癌が大きくなったり転移したりするということは、首から下への転移とかを考えたら抗がん剤の方が良いという事はありますか?」
と聞いた時、
「そうですね。そういう観点で言えば、重粒子線治療はその部位のみにしか効きませんから、抗がん剤の方が良いのかもしれませんね。でも根治の可能性という観点では重粒子線治療しかありません。」
とのことでした。
帰りの車の中、タケさんは私にこう言いました。
「にょろちゃん、この決断は俺がするからね。
2人で決めたとしたら俺に万が一の事があった時に、にょろちゃんが自分を責める事があるかもしれないから。
だから俺が決めるから。」
結局タケさんが選んだ治療法は
なるべく早くニボルマブ(オプジーボ)投与を始める事でした。
そのためにいわゆる一般的な抗がん剤(CBDCA+5FU(カルボプラチン+フルオロウラシル療法)を一週間入院で投与する事に決めました。
重粒子線治療で生活の質が大きく下がるのが嫌だという事もあったでしょうが、副作用が少なく全身に効果がある可能性を選んだという事なんだと思います。
この決断をしたことによって、癌の根治→共存に気持ちをシフトしていくことになりました。
開口障害、そして癌で唇が裂けてしまった事で口が大きく開かなくなってしまったタケさんにとって普通のスプーンは大きすぎて食べ物が入っていきませんでした。そんな時に出会ったお助けアイテムです。タケさんの食を支えてくれてありがとう。
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