2021年10月、上顎洞癌(腺様嚢胞癌)が脳に転移し、余命宣告をされた夫タケさん。
医師からは「やりたいこと、会いたい人がいたらなるべく早く行動した方がいい」と言われました。
『万が一亡くなった時の為に』と言いながらタケさんはあれこれ急いで行動を起こします。
慌ただしい毎日。
会いたい人は『兄貴』
ふと何気なく自然な感じで次男ゴボさんが「お父さん、会いたい人とかいないの?」と聞きました。
タケさんは
「うーん…兄貴に会いたいな…」
と言いました。
タケさんは両親と兄とタケさんの4人家族で、両親は既に他界しています。
兄はいわゆる日本企業の海外赴任族で、社会人人生のほとんどを海外で過ごしています。
今は中国に。
コロナという病気が世界で流行し始める前に赴任したので、赴任してから丸2年一度も帰国が出来ず…
2021年10月の頃は世界的には外国人の行き来が始まった頃でしたが、中国は『ゼロコロナ政策』で他の国と比べると規制が厳しく、隔離期間が長い為に仕事との折り合いがつかず、なかなか一時帰国の目処が立っていませんでした。
中国、日本からは近いはずなのにとっても遠い国に感じていました。
それでもこの頃は「もしかしたら3月くらいには一時帰国できるかも?」という話も上がっていましたが曖昧な感じ。
予定の3月まで待っていたら会えなくなるかもしれない
そう思った私はタケさんに内緒で兄にLINEで連絡を取りました。
タケさんの余命が週単位ということもあり得ると医師から言われていること
タケさんが会いたがっていること
無理なお願いである事は重々承知ではあるけれども、何とか少しでも早く帰ってきてはもらえないか
と。
「帰国できる策を探ってみる」と兄から返信があった後、その日のうちにタケさんにLINEが入りました。
「社長に現状を説明したところすぐに帰国するようにと言ってもらえたので一番早い日程のフライトで帰ります」
タケさんはそのLINEを見て慌てて私に報告しにきてくれました。
タケさんは泣いていました。
「俺、兄貴に会ったら泣くから」
と言うので
「じゃあ、バスタオル用意しなきゃね」と返事しました。
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