上顎洞癌(腺様嚢胞癌)再発の治療の為、抗がん剤『ニボルマブ(オプジーボ)』を投与していた夫タケさん。
しかし、タケさんには全く効いていないという事が分かり、オプジーボの投与は5回で終了となりました。
2020年5月、主治医との話し合いで、次の治療として選んだのが、
遺伝子検査の結果を待ちながら、抗がん剤『パクリタキセル』の1剤投与を行う
というものでした。
遺伝子検査とは?
医師の説明では、遺伝子検査とは…
(タケさんの場合、手術の際に採取した組織を使って)検査に出して、網羅的な遺伝子解析を行うというもの。
癌の遺伝子(400個くらい)を網羅的に計って、数値の上下の解析により、タケさんに良い抗がん剤が無いか検討する。
1年半ほど前(2020年5月時点)から保険適用になった。
患者側がする事は特に何も無く、説明を聞いて、同意書にサインするくらい。
すごく有用な検査という訳では無い
・『薬が見つかる』までいく人は2割にもならない。
・薬が見つかっても、その薬が『お手軽に使える』という人は数%しかいない。
(薬はあるのだけれど保険適用が通っていないなど…)
・本当に有用な治療に辿り着く人は100人やって1人か2人。
何もやらないよりは、そういう可能性があるという事で保険上認められているのでやってみる価値はある。
検査結果が出るまで約3ヶ月かかる。
→タケさんの場合、2ヶ月ほどで結果が出ました。タケさんに良い抗がん剤は何も見つかりませんでした。
選択肢にあがった治療
遺伝子検査の結果を待つ間、何もしない訳にはいかないので…と今後の抗がん剤の話になりました。
『腺様嚢胞癌に効くと言われている抗がん剤は今のところ無い』ので、
・一般的な『癌そのものを叩く薬』を使う事になるが、そうなると副作用はけっこう出る。
・抗がん剤は効いている限りはずっと続ける。
・2ヶ月に一回検査をして効いているかどうか評価をして、効いていなかったら他の治療にチェンジする。
オプジーボを使用した後は免疫が活性化されているので抗がん剤の効果が上乗せされるという話があるので、今抗がん剤をやるのはチャンスだと言える。
選択肢にあがった治療は3つ
①抗がん剤『パクリタキセル』1剤投与
②抗がん剤『パクリタキセル』+『アービタックス』の2剤投与
③前回入院で投与した抗がん剤『カルボプラチン+フルオロウラシル』投与
パクリタキセルの副作用
・気持ち悪くなる
・白血球が下がる
・毛が抜ける
・長期で入れ続けると体力や気力が失われるのでお休みを入れたりしながら、回復したらまた続けるという調整が必要になってくる。
アービタックスの副作用
パクリタキセルのような身体に負担はかからないけれど…
・皮膚がボロボロになる。
・ニキビみたいな発疹が全身に出る
・爪が割れる
・皮膚の曲がる箇所が全部割れてバキバキになる
・指先のひび割れ・しびれ(ほぼ全員に起きる)
身体の辛さはそうでもないけれど、水仕事ができない、見た目がボロボロになるので、そっちの方が辛いという人もいる。
カルボプラチン+フルオロウラシル
前回はアリバイ作りに一回だけ投与した、カルボプラチン+フルオロウラシルの投与に関しては、選択肢としてはあるけれども、強い薬なので限界があって、5〜6回くらいしかできない。
②抗がん剤『パクリタキセル』+『アービタックス』の2剤投与について
『パクリタキセル』1剤投与と『アービタックス』も入れる2剤投与について、主治医は
「正直どっちでもいい」と。
一般的な扁平上皮癌というタイプの癌であれば2剤使用した方が良いと言われているが、それは根拠があるから。
2剤は違うタイプの薬なので、それぞれの副作用がでる。
それも効果があるのならば良いのだろうけれど、腺様嚢胞癌の場合、明らかな根拠が無いので、副作用とメリットとのバランスが難しいし、どこまで効くのかの保証も無い。
それを分かった上で2剤にかけてみたいというのならばそれも良いし、
効くか分からないのに副作用が辛いなら1剤でいいというならそれも良い
と。
(ちなみに、アービタックスはパクリタキセルとの相乗効果を狙うものなので、アービタックス1剤投与は無いし、パクリタキセル1剤が効かなかったからアービタックスを追加という事も無いとの事。)
次の治療は『パクリタキセル』1剤投与に決めました
2剤ではなく、1剤投与にした理由は、『副作用が強いのは嫌』という事ももちろんありましたけど、タケさんはパソコン仕事なので、指が使えなくなると仕事に影響が大きいからというのが一番の理由でした。
同じ時期、抗がん剤の副作用で苦しんでいる方が私の身近にいて、その方はいつも綿の手袋をしていて、「手の皮膚がボロボロで家事ができなくて家族に負担を掛けるのが申し訳ない」と言っていたのをその時思い出しました。
あの方はアービタックス投与していたのかしら?分からないけれど、本当に辛そうでした。
そうして、2020年5月13日が初回投与。そこから合計38回、パクリタキセルを投与する事になります。
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