夫タケさんが数日かけて急激に見えなくなった左目を心配して近所の眼科にかかったのが2021年10月6日。
癌から来るものではなくて目の病気で、時間が経てば治ると言われて嬉しくて涙した翌週の10月13日、大学病院でMRI検査。
前に担当してくれていた主治医は悪い知らせの時にはその日のうちに電話が来ていたけれど、この日はなんの連絡も無く、1週間後の10月20日、検査の結果を聞きに行きました。
眼科医に大丈夫と言われていたし、MRIの日に連絡も無かったし…普段と何も変わらない通院日。
主治医には眼科医の診断をお伝えしておかなきゃ、くらいの感じでした。
突然の脳転移宣告/抗がん剤の中止宣言
順番が来て診察室に呼ばれて、MRI検査の結果の説明が始まって、その瞬間から世界が一変しました。
・もともとあった癌は若干だが大きくなってきている
・それとは別に新たに脳への転移が見られる
・気になるのは脳の転移の方で、前回のMRIから2ヶ月でこの大きさになっているということは、進行が早いと思われる
・癌が大きくなったり、転移が見られると言うことは抗がん剤『TS-1』は効いていないと判断するので処方は中止する
・この病院でのこのあと出来る治療法は無く、緩和ケアに移行になる
・どこの病院でも同じ結果になるだろうと予想されるが、セカンドオピニオンの先の病院でもしかしたら治験等の治療法があるかもしれない
左目が見えなくなった原因は…
左目が見えなくなった原因は、脳に出来た癌が視神経を圧迫して見えなくなったのだろうと主治医。
「近所の眼科医は目の病気でそのうち治ると言っていた」と言ったら
「眼科医ではこの症状の診断はできません」と。
そして更に…
癌は目に近いところにあって、癌が大きくなったら右目も見えなくなる可能性は高いと。
タケさんに残された選択肢
タケさんに残された選択肢はというと
①緩和ケアに入る
②セカンドオピニオンを受けて治療を探す
この二択しかありませんでした。
「どうされますか?」と主治医。
タケさんの人生だからタケさんの治療法はタケさんに決めてほしいとずっと私は思ってきたし、タケさん自身も「自分の治療は自分で決める」と言い切っていて、ずっとそんな2人の関係だったけれど、
この時は
「セカンドオピニオンを受けよう」
と私からタケさんに切り出しました。タケさんは「そうだね」と言いました。
タケさんの治療に口を出したのはパクリタキセル投与が限界だと感じた時が最初。これが2回目。
タケさんが主治医にお願いしたこと
処方を中止すると言った主治医に、タケさんが言った事。
「セカンドオピニオンで結果が分かる間までだけでも抗がん剤を処方してもらうことはできませんか?」
と。
主治医は
「効かないと分かった以上、抗がん剤は毒でしかないので処方はできません」
とキッパリ断られました。
その時のタケさんの「そうですか…」と言う力の無い声を今も思い出します。
私だけ診察室に戻される
セカンドオピニオンを受ける病院への紹介状を書いてもらうようお願いしてタケさんと私は診察室を出ました。
診察室を出てすぐに看護師さんが
「セカンドオピニオンの病院への手続きを説明するので奥様だけ診察室に戻ってもらっていいですか」
と私1人だけ診察室に呼び戻され、タケさんは待合で待つことに。
私だけに主治医が話したこと
主治医は私に
・脳に転移した癌の進行が早いので覚悟した方がいい。
・この状態だと月単位で亡くなる可能性が高い。週単位ということも十分にあり得る。
・会わせたい人、やりたい事があったらなるべく早い方がいい
・セカンドオピニオンもなるべく早い方がいい
と言いました。
呆然としながら、タケさんにどんな顔をしたらいいだろう…
と思いながら診察室を出ました。
今まで私1人が診察室に呼ばれるなんて一度もなかったのですから、診察室からタケさんの元に戻った時のタケさんの顔は困惑した鋭い顔になっていました。
「にょろちゃん、俺、内緒にされるのは嫌だからね」と冷静を装いながらも取り乱したタケさんの顔がありました。
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