抗がん剤『パクリタキセル』投与開始から半年/癌大きくなる/主治医との面談

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夫タケさんが上顎洞癌(腺様嚢胞癌)再発のため、抗がん剤『パクリタキセル』投与を開始して半年経った頃。

2020年11月の検査で癌が大きくなっている事を主治医からの電話で知らされました。

翌週、今後の治療について主治医と私達夫婦とで面談しました。

目次

癌の現状について

最初に今回の検査結果について説明がありました。

・右上顎にある癌が約3ミリ大きくなっている

・転移したリンパ節の腫れについては大きさは変わってない。

・他への転移も確認されていない

主治医の見解

・大きくなっていると思われる箇所に痛みがあるというのは、やっぱり癌が大きくなっているという印象は拭えない。

・ただし、元々腫れていたリンパ節が大きくなっていないということは抗がん剤『パクリタキセル』は効いてはいる。

・投与開始から2ヶ月後の検査で癌の縮小が確認できていたのに今回の検査で若干大きくなってきたのは『嫌な兆候』という感じがする。

(パクリタキセルの効果の限界がそろそろ見えてきちゃったというところではないか。)

固形癌に対する抗がん剤について(タケさんの癌の場合)

主治医の話では…

固形癌(どこかにできちゃうような塊の癌)というのは、抗がん剤で治すのはどんな癌種でも難しい。

基本的には手術で完全に取ってしまうか、放射線を使って消しきるかというのが治療になるが、タケさんの場合は重粒子もやって手術もやっていて、それでもなお残ってしまったという場合には、完璧に治すのは難しい。

できるだけ抑えるというのが今の抗がん剤の目的で、もちろんそれでずっと大きくならずに何年もそのままと人もいるので、抗がん剤自体に意味はあるが完璧に治す薬っていうのは世の中にない。

もしあるとしたら、『免疫チェックポイント阻害薬』。要は免疫の薬なので癌をやっつけるというよりは体中の免疫が活性化されて、がんと戦ってくれればそのままずっと戦い続けてくれるので治っちゃうことも稀にある。

ただ100例に投与して1人か2人ぐらいなので、正直それが治る薬ではない。

現状のパクリタキセルという薬もよく効く薬なんだけども、おそらくは治るような薬ではない。

今後の治療について

『替える薬が正直なところあまり無い』という前置きのもと提案された今後の治療の選択肢は3つ

①このまま次の検査(2ヶ月後)までパクリタキセル投与を続ける

飲み薬の抗がん剤に替える

③前に一度だけやったCBDCA+5FU投与をやってみる

①このまま次の検査(2ヶ月後)までパクリタキセル投与を続ける

このままパクリタキセル投与続けてもいきなり大きくなるということは無いと思われる。(効いてはいるから)

ただおそらくは徐々に徐々に癌が大きくなってきて痛み等増してくると思われるし、副作用も強いので体力も無くなってくる。

しかし、癌が大きくなってきたというのは抗がん剤を替えるタイミングではある。

②飲み薬の抗がん剤に替える

月1回の通院で済む。

飲み薬の抗がん剤は副作用はあまり無いが、①③の抗がん剤に比べて効果は弱い。

ただし、今まで全く使ったことのない効き方の薬だから、もしかしたらすごくよく効くかもしれないが正直やってみなければ分からない。

ただ多くの場合あまり効かないことが多い(効果が弱いから)

③の治療を選んだ場合、この薬も一緒に使えるので使う事になる。

この方法を選ぶ場合、ダメだった時にその先の治療法が無くなってしまう。(『抗がん剤の使う順番について』参照)

③前に一度だけやったCBDCA+5FU投与をやってみる

ちょっと強めの薬を使ってみるのもひとつの手。

前回はニボルマブを入れるために1回しか投与しなかったので、もしかしたら効くかもしれない。

スケジュールを決めて何回か投与するというのをやってみて、どうなるか試してみる。

ただし、副作用は強い。(吐き気・腎臓機能の悪化・骨髄抑制・白血球低下に伴う敗血症等)

副作用の状態を見ながら100%の量で入れるか80%の量で入れるか調整が必要になる。

パクリタキセルの副作用でやっとこ仕事をしている今のタケさんの状態よりも悪くなる可能性がある。

ただ、副作用の出方が少し違うので、もしかしたらすごく良くなるかもしれないし、癌がここぞとばかりに活性化してしまうリスクもある(ここまで小康状態を保っているのはパクリタキセルが効いているからなので)

他にも同じようにパクリタキセルを使ってる方いるんだけども、その中でタケさんの副作用は結構強い方。

だからその分効いてるのかもしれないのだけれど、人それぞれだから替えてみた結果楽になったって人もいるかもしれない。

3週間に一度の投与になるので通院は楽にはなるかもしれない。

抗がん剤の使う順番について

癌が大きくなると体力が減る。(癌にエネルギーを取られてしまうから)

それなので、もし体が弱っちゃってると、次の治療ができなくなる可能性がある。

(弱い薬から強い薬にするというのはなかなか難しいこと)

そうなると一般的に強い方から順番に使っていく方が、トータルで見ると、長い間抗がん剤が使えることになる。

タケさんが気にかけていたこと

主治医にタケさんが質問したこと

『癌が小さくなったのが分かった時まではスキップ(抗がん剤投与をお休みすること)はしなかったんだけれども、その後にスキップすることが何度かあった。それが影響しているのでは?』

主治医の返事

『少なからずある。でも副作用で体力が落ちてしまうと、それこそがんの活性化にも繋がるので、ほどほどにという意味では今のペースっていうのも悪くはない。

ただもちろん入れれば入れるほど、癌には効くと思うけれど、それで寝たきりになってしまったらそれはあまり意味はないので、バランスの問題になる。』

タケさんの選んだ今後の治療

ここまでの主治医の説明を聞いてタケさんが選んだのは『パクリタキセル投与を続ける』でした。

私に「俺はパクリタキセルを続けたいな」と言うので

私は「タケさんに任せる」と言いました。

タケさんの命、後悔しないようタケさん自身が選択してほしいと私は思ったから。

この選択で、タケさんはパクリタキセル投与を続けることになります。

副作用もどんどん深刻なものになっていきます。

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