腺様嚢胞癌と診断されるまで①

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タケさんは昔から病院嫌い。採血も腕は見ない派です。年に一度受けられる人間ドックはしぶしぶ2年に一度くらいは受けていました。

タケさんと私は新卒同期入社。出会った時には既に酷い花粉症でした。クシャミの声が大きくて、連発するクシャミに会社の皆んなで笑ったものです。

まだ花粉症などという名前も知られていない小学生の頃から症状はあって、子どもの頃は何度も病院に通っていたそう。

「タケさん=花粉症」本人も家族も周りの人もそれが当たり前に思っていました。症状が酷い時だけ市販薬を服用していました。

2016年8月19日。久しぶりに会った友人から「鼻の形が変わってるから耳鼻科行った方がいいですよ」と言われたのをキッカケに会社から一番近い耳鼻科に行く事に。

そう言われてみれば鼻と左頬の境目あたりが腫れてるような…左右差があるような…毎日見ている家族も会社の人たちも全く気付いていませんでした。

初診ですぐ組織を取って検査に出すと言われて鼻血が出て大変だったとぼやくタケさん。私はその話を「それはそれは大変だったね〜」と笑って聞いていました。

次の受診日、午後、タケさんからメールだったかなLINEだったかな?連絡が来ました。

“癌だって。大学病院に行く事になった。一緒に行ってくれる事はできるかな。“

仕事を終えて夜に帰宅するはずのタケさんがその日は夕方に帰ってきました。色々考えてしまって仕事にならないから帰ってきたと。

耳鼻科の医師は淡々とあっさりとした口調で「癌だね」と言ったそう。ここでは治療できないから紹介状を書くから近所の大学病院に行ってくださいと言われたそうで日程も決めて耳鼻科を出てきたとの事。

その後、職場に戻って社員に自分が癌らしい事、なるべく早く治療を始めたいので仕事で迷惑をかけることがあると思うけど協力してほしいと話をして帰ってきたそう。

タケさんは私に

  • たぶん癌じゃないと思うけれど、もし詳しく検査して癌だったとしてもまだ死ぬつもりはない
  • 最短の日程で検査して治療する
  • 内緒にしたくないから子ども達にも帰ってきたら話をする
  • 精一杯治療するから今日からタバコと酒はやめる

と宣言しました。

息子達はその時20歳と15歳。パカラさんはタケさんの会社で働き始めたばかり、ゴボさんは高校一年生でした。

2人はうんうんと頷きながらポロポロと涙を流しながら無言でタケさんの話を聞いていました。

私は…というと、もちろんショックでした。頭の中で色んな事が渦巻いていました。でもどこかで誤診だと思っていたんです。

数年前、主人の母を自宅介護していた時、舌がただれて痛いと言うのでその耳鼻科に行った時の事。やっぱり組織を取って検査に出すと言われて、舌ガンだと言われた事があったんです。しばらく様子見と言われて数回通ううちに舌はすっかり回復し、その医師も「不思議だねえ」なんて言ったんです。

今回もそうに違いないと。

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