余命宣告後のセカンドオピニオン

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2021年10月。夫タケさんは脳に癌が転移して、このあとの治療は無いと突然の余命宣告を受けました

残る手段は2つ。

①緩和ケアに移行する。

②セカンドオピニオンを受ける

命を諦められない私達はセカンドオピニオンを受ける事にしました。

目次

セカンドオピニオンを受ける

主治医に選択肢として提示されたのは癌に特化した国立病院。

2箇所ある中で最寄りの場所を選んで一番早い日程で予約しました。

高速道路が苦手な私に代わって若葉マークの次男ゴボさんが頑張って運転して連れて行ってくれました。

片道1時間半。コロナ対策で一名しか同伴できなかったのでゴボさんには車の中で待機してもらいました。

病院の車椅子を借りて院内は車椅子移動。

予想していた通り、長い待ち時間を経て声がかかりました。

そこで今までの病気の経緯を細かく質問されたあと、また待合に戻ってしばらくしてもう一度呼ばれました。

さっきとは違う医師。

そこで総合的な診断結果を聞きました。

セカンドオピニオンの病院医師の判断は

最初に、

「紹介状を見る限り今までずいぶん治療をがんばってこられましたね」と声をかけて下さったあと

腺様嚢胞癌は稀な癌であるから、今まで限られた選択肢の中から選択して来たと思われるが

大学病院で今までして来た治療は妥当だと思われ、こちらの病院であっても同じような治療をするのではないかと思う。

現時点でこれがいいというような使える薬を提示するのは難しい。…というか現時点では無い。

無いのだけれど、仮に臨床試験があったとしても(タケさんの)今の体力的に難しい。

体力というのはとても大事で、薬というのは必ず副作用を起こして体力をかなり奪う可能性が高い。

そして効果については分からないので結果的には副作用だけを被ってしまう可能性が高い。

仮に使える薬があったとしてもおそらく体力的に継続的に受けるのが難しいのではないかなというのが正直なところ。

大学病院の今までの治療も順当に使ってきているし、抜けもない。順当に使い切っているといえる。

夫が医師に尋ねた『余命』

タケさんは説明を聞いた後、「じゃあ、緩和ケアに移行する以外手段はないということですね」

と言って、「先生の見解では私の余命はどのくらいあるのか」と聞きました。

医師は言葉を選びながら…

正直分からない。感染症を起こすと脳内膜炎・髄膜炎・脳の膿瘍とかを起こすと短い期間で状態が急に変わることもあるかもしれない

場所がよくないところにあるので、そこに何かしらのイベントが起きると期間が短くなってしまうかも知れない。

そういったイベントがなかった場合は月単位で過ごせることがあるかもしれないが、それでも年単位という事はない。

タケさんは「腺様嚢胞癌は進行がゆっくりと聞いていますが」と尋ねると

「短い間隔で見ていって大きくなっている現状を見ると、腺様嚢胞癌だからゆっくりな進行であるとは一概には言えない」

「という事は脳に転移が見当たらなかった時からこの4ヶ月で大きくなったスピードでこのあとも大きくなり続けるという事ですか?」と言ったタケさんに対して

「もしくは指数関数みたいに増えた細胞が更に増える状態にあるのかも知れない(もっとスピードが早くなる)」と医師は言いました。

このセカンドオピニオンで新たな治療の道は断たれたことになりました。

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