夫が必死で守り続けた会社/株主総会/感謝の日

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今日は夫タケさんが社長をしていた会社の株主総会の同意書にサインするために、会社に行ってきました。

会社に顔を出すのは久しぶりです。

元の職場の仲間4人で設立した会社、長男パカラさんが生まれた年にスタートしたので、もう27年になります。

社員数人の小さな会社ですが、税理士さんに言わせると27年は『歴史のある会社』だとの事。

会社というのは生まれて消えての繰り返しなのでしょう。

目次

現社長は女性社員

心配していた業績は、前年より下がったものの何とかトントンで終えられたようでホッとしました。

「癌が脳に転移して、これ以上治療法が無い。亡くなるまで月単位。週単位という事も十分あり得る」

と宣告されて2ヶ月ちょっとで亡くなったタケさん。

亡くなる前の半月は意思疎通は出来なくなっていたし、緩和ケアに入る決断をするまでの期間もあったので、1ヶ月ちょっとで会社の次期社長をきめて、事務処理に追われる日々を過ごしました。

両目が見えなくなった後も、口頭で指示を出して、本当に命を削って、懸命に。

次期社長を二つ返事で快諾してくれたのは、長年一緒に苦楽を共にしてくれた女性社員でした。

1ヶ月ちょっとの短い間に会社を託された…なんて事、普通の人生ではなかなか起こり得ない事です。

「快諾してくれた」とタケさんは本当に喜んで安堵していました。

この一年、会社を繋いでくれてありがとう

現社長と話をするのも半年以上ぶり。

1ヶ月ちょっとで社長交代した彼女。「あの状態では引き受けるしかないでしょ」と。この一年は本当に大変だったと思います。感謝以外何もない。

「お金のことは全て経理の子に聞けば大丈夫」と言われていたのに、あれもこれも「前社長がやってたから分からない」と言われた…とか

税理士から「ワンマン経営のどんぶり勘定は今までは前社長の求心力があったから続いてきたようなものなんだから、その求心力が無くなった今、経営を立て直さなきゃいけない」と釘を刺された…とか

会社が上手くいかなくても「前社長のせいで私のせいじゃないし〜」って言い訳しながらやってきた…とか

散々タケさんの悪口に花を咲かせて、大いに笑って。

そして

引き継ぎの書類を作ってくれていたのに、一年経って思い出して、前社長ごめんね〜って思った…とか

前社長が関連会社の方々に根回ししておいてくれたおかげで、今はその方達に助けられて仕事ができている…とか

タケさんが残していったものを聞かせてくれたり…と笑ったり嬉しくなったりウルウルとしてしまったり。

タケさんは私達の話を聞きながらきっと何度もツッコミを入れていた事でしょう(笑)

「私が言うのもなんだけど、タケさんの守り続けて来た会社を無理してでも何としても続けようなんて思わないでいいからね。」

と言ったら

「あー、そんなこと全然思ってないですから大丈夫(笑)」とサラッと。

家までの帰り道、なんだか重い荷物をおろしたような気分になっていました。

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